軽自動車やコンパクトカーを中心に低燃費タイヤを装着しているクルマが
増えてきましたね。
実は日本自動車タイヤ協会の調べによると201年に生産された全タイヤに占める低燃費タイヤの割合は、約63.3%に及ぶそうです。
そして、各タイヤメーカーも低燃費タイヤの開発にチカラを入れており、
このようなブランドを発売しています。
ダンロップ・・・エナセーブ
ブリジストン・・・ECOPIA(エコピア)
ヨコハマタイヤ・・・ブルーアース
少しでもクルマに詳しい人ならこのようなタイヤブランドの名前は聞いたことがあると思います。
最近”低燃費タイヤ”という言葉自体は認知されていますが、
細かい条件や内容まで知っている人は少なくなっています。
そこで低燃費タイヤの条件について紹介していきたいと思います。
低燃費タイヤの基準
現在、日本では次の二つの項目が一定の基準以上の性能を持ったタイヤが低燃費タイヤと認められています。
・転がり抵抗係数
・ウェットグリップ性能
カンタンに言うと「低い転がり抵抗」と「高いグリップ力」と言う全く異なった二つの性能の基準を満たしたタイヤが”低燃費タイヤ”と認められる訳です。
ちょっとこれだけの説明では分かりづらいですよね。
そこで低燃費タイヤの基準となっている転がり抵抗係数と・ウェットグリップ性能について、紹介していきたいと思います。
タイヤの転がり抵抗って何?
この低燃費タイヤの基準の一つでもある転がり抵抗って少し分かりづらいですよね。
カンタンに言うと転がり抵抗とは、車の走行時に発生する抵抗(摩擦)の一種です。
例えば、走行中にブレーキを踏むとクルマは停止しますよね。
これは自動車のタイヤのゴムと路面で起こる摩擦を活用しているから、クルマは止まる事ができるのです。
タイヤのグリップ力が良く、短い距離でキュっとしっかりと止まる事が出来ることを”高転がり抵抗”と言います。
一方、タイヤのグリップ力が弱く、比較的クルマが停止するまで長い距離を必要とする事を”低転がり抵抗”と言います。
これだけを聞くとグリップ力が良い”高転がり抵抗”のタイヤの方が良いように感じてしまうかもしれませんね。
しかし、”高転がり抵抗”にはデメリットがあります。
それは、走行中のタイヤと路面の摩擦が大きいため”低転がり抵抗”のタイヤに比べると燃費が悪く走行距離が短くなってしまうのです。
そのため燃費が特に重要視されている日本では、低転がり抵抗のタイヤが重宝されているのです。
低燃費タイヤの転がり抵抗係数の基準
低燃費タイヤとして認められるには転がり抵抗係数の基準を達成しないといけませが、これは業界のグレーディングシステム(等級制度)によって定められます。
この転がり抵抗係数のグレーディングシステム(等級制度)では、AAA~Cまでの5段階用意されており、等級がA以上の基準を達成しないといけません。
つまり低燃費タイヤとして認められるには、”転がり抵抗係数”はA以上の等級を達成しないといけないという事になります。
ウェットグリップ性能って何!?
低燃費タイヤとして認められるもう一つの基準が”ウェットグリップ性能”。
このウェットグリップ性能とは、カンタンに言うと濡れた路面でのタイヤの滑りにくさを意味します。
これは転がり抵抗係数よりも分かりやすいですよね。
低燃費タイヤでは、この雨の日のタイヤの滑りにくさや止まりやすさも高次元で求められているわけです。
低燃費タイヤのウェットグリップ性能の基準
転がり抵抗係数と同様にウェットグリップ性能もグレーディングシステム(等級制度)によって、判断されます。
ウェットグリップ性能はa~dまでの4つの等級+圏外で分かれており、
このa~dの等級が与えられれば、低燃費タイヤの基準を満たしているとみなされます。
低燃費タイヤの基準達成は難しい
ただ、困ったことに低燃費タイヤの一つの基準でもある”転がり抵抗”が小さくなるとグリップ性能(ウエットグリップ性能)も低下します。
ココまで読んだからなら分かると思いますが、低燃費タイヤと認められるには、
“低転がり抵抗”と”高グリップ”と言う相反する基準を達成しないといけないわけです。
つまり、低燃費タイヤとは
「走行距離をできるだけ伸ばしながら、同時に高いグリップ力を確保する」
という無理難題の基準を達成したタイヤの事なんです。
もうすでにタイヤメーカー各社から低燃費タイヤが発売されていますが、
現在でも日夜「転がり抵抗を低くキープしつつ、ウェットグリップ性能を高くするとという課題」に日夜取り組んでおります。
タイヤによって燃費性能も大きく異なります。
愛車の燃費性能にこだわりたい方は、タイヤにもこだわった方が良いと思いますよ。